現在マンデリンとして栽培されているものはほとんどが改良品種に植え替えられていますが,北スマトラ州のトバ湖周辺では一部奇跡的に在来種ティピカ系の品種が残っていて,”クラシック・スマトラ”と呼ばれることもあります。こうした在来品種だけを集めて15年ほど前に作られたロットが,当店でもお馴染みの「マンデリン・リントンニフタ(LCFマンデリン)」です。その後調査を重ねて,新たに見つかった在来品種で作られたものが「マンデリン・オナンガンジャン」でした。どちらも、マンデリン本来の特徴が明確に表れたクリアでエレガントな良質なマンデリンです。小規模農家が主体でのインドネシアでこうしたロットを作るには、かなりの時間と労力が必要でした。
しかしながら近年は、気候変動や米大手チェーンの過度な買付などの影響から需給バランスが大きく崩れ、現地価格が暴騰を続けています。結果として、手間やコストのかかる在来種から生産性・収益性の高い改良種へ植え替える生産者が増え、ティピカ系在来種の木はかなりの減少となりました。オナンガンジャンの方はまだ継続出来ていますが、リントンニフタの方は原料を供給できる生産者がほとんどいなくなってしまっています。
こうした厳しい状況の中ですが、わずかに残るティピカ系在来種の木を探してもらってリントン地域のマンデリンをあらためて作り始めたものが、今回入荷のロットになります。滑らかな舌触り、土やハーブなどのエキゾチックな香りなど、良質な在来品種ならではのエレガントな味わいをお試しください。
地域 : 北スマトラ州
フンムバン・ハスンドゥタン県リントンニフタ
標高 : 1,430-1,480m
品種 : アテン・スーパー,オナンガンジャン,ジュンベル,ウスダなど
精製 : スマトラ式